写真を一枚だけ、置けるようにした

介護の記録を、アルバムに変える。おでかけ日記に写真を一枚だけ添えられるようにした理由と、その写真を端末の外に出さないと決めた話。もうひとつの「写真」と混ぜない工夫も。

CareReadyのおでかけ日記には、その日のことを一件残せます。日付、行き先、きょうの調子、ひとこと。そこに、写真を一枚だけ添えられるようにしました。

たくさんじゃなく、一枚。この「一枚」に、けっこう理由があります。

記録は続かない。思い出は残る

介護の記録を「きちんとつけましょう」と言われると、たいてい続きません。項目が多いほど、開くのがおっくうになる。義務になった瞬間、道具は使われなくなります。

でも、写真は別でした。玄関を出るときの一枚、施設の庭で撮った一枚、帰ってきた日の一枚。撮るのに気合はいらないし、あとで見返すと、文字の記録より雄弁です。「この日はいい天気だった」「この服、気に入ってたな」。数値やチェックが記録なら、写真は思い出。続けてもらうなら、思い出の側に賭けたほうがいい、と考えました。

だから日記の一件ごとに写真を一枚。ためていくと、それがそのままおでかけのアルバムになる。調子の折れ線グラフの隣に、顔の見える一枚がある。「前回はごきげんだったな」が、数字じゃなく写真で思い出せる。

写真は、端末から出さない

ここは技術の話です。介護の写真は、いちばん繊細な個人情報のひとつ。だから設計をこう決めました。

  • 添付した写真は端末の中にだけ保存する(ブラウザのローカルDB)。サーバーには送らない。
  • そのまま持つと重いので、その場で長辺480px・軽い圧縮にリサイズしてから保存。アルバムとして見るには十分で、容量は小さく。

「クラウドにアップして共有」ではなく、「手元のアルバムにそっと残る」。共有したい人は自分で送ればいい。既定は、外に出さない。介護の記録では、これが正解だと思っています。

もう一つの「写真」と、混ざらないように

実はCareReadyには、別の写真機能の入り口もあります。施設が配る紙の持ち物リストを撮って、項目を読み取るための「写真」。同じ”カメラ”でも、役割は正反対です。

  • リスト読み取りの写真 → 入力(紙を読み取って、チェック項目に変える)
  • 日記の写真 → 思い出(その日を残す。どこにも送らない)

ユーザーがこの二つを混同したら、「なんで写真をアップするの?」と不安になる。だから置き場所を分け、ラベルも「📸 思い出の写真」「📄 紙のリストを読み取る」と、目的を言葉で書き分けました。同じ部品でも、意味が違うなら、混ぜない。

一枚に込めたこと

写真を「一枚だけ」にしたのは、機能をケチったわけではありません。義務にしないためです。何枚も撮って整理する道具ではなく、一枚そっと挟んでおける道具。続けるハードルを下げて、それでも見返したとき、ちゃんと思い出になる。その一枚が、次の「また行こう」を連れてくる。

——記録は数えない。思い出は、一枚だけ、手元に残す。

この「一枚だけ」は、私たちが作っている CareReady に実際に入れた機能です。家族向けの持ち物チェックはすでに公開していて、写真も端末の中だけに残ります。

公開中の CareReady について

CareReady は介護の持ち物準備を支える生活支援ツールであり、医療機器ではありません。持ち物や薬の準備は、利用先の施設の案内と医師・薬剤師の指示を優先してください。

今日も、読んでくださってありがとうございます。